2023/01/17 16:00
今回は、「楮(こうぞ)」の皮を剥くために蒸す作業『かご蒸し(かごむし)』を解説します。
前回、刈り取った楮は、専用の蒸し釜に入る大きさに更に揃えられます。
この日は特に冷えたので、早朝5時半〜火を入れて、3時間半かけて蒸しあげました。
さて、いよいよ窯を開ける時間です。今日の窯出し当番は、黒谷で一番若手の職人。
窯を開けると、ふわっと甘い独特の香りが小屋いっぱいに広がります。
甘くて香ばしい、美味しそうな良い香りです。
窯から次々と熱々の楮を取り出していきます。
若手からベテランの職人へ、楮のリレー。
職人みんなで、1束ずつ楮をリレーして、冬の冷たい水に浸けていきます。
乾燥させないことが、次の作業である『かごへぎ』には重要で、皮が剥きやすくなります。
この日は特に寒かったので、桶には氷も張っていました。
冷たい水の冬に行うからこそ、黒谷の和紙は繊細で凛としているのかもしれません。
さて、次回はいよいよ楮の皮を剥く『かごへぎ』の作業を解説いたします。
お楽しみに。